「そんなに長く続けるつもりじゃなかった」
TURN UPに1年以上通っている会員さんに話を聞くと、高い確率でこの言葉が出てきます。
体験1回のつもりが、気づいたら半年。半年のつもりが、気づいたら2年。「やめよう」と思ったことは何度もあるのに、なぜかやめられない。
今日は、その「なぜか」を正直に書いてみます。
「うまくなる瞬間」が、やめさせてくれない
キックボクシングには、定期的に「あ、できた」という瞬間が来ます。
ずっと合わなかったミドルキックが、ある日突然クリーンにミットを捉える。コンビネーションがバラバラだったのが、滑らかにつながり出す。相手の動きを読んで、先に動けた瞬間。
この瞬間が、麻薬みたいなんです。
「もう少ししたら、もっとうまくなれるかもしれない」——その予感が、次の練習に足を向けさせる。やめようと思った翌週に、そういう瞬間が来るから、またやめられなくなる。
格闘技は、上達に終わりがない。だから飽きない。ずっと追いかけるものがある。
「グローブをはめると別人になれる」
仕事では温厚な人が、ミットを前にすると目つきが変わる。普段おとなしい人が、サンドバッグに向かうと別人のように打ち込む。
キックボクシングには、日常では出せない自分を解放できるという側面があります。
「会社でどれだけ理不尽なことがあっても、ここに来てサンドバッグを蹴ったら全部消えていく」——そう話してくれた会員さんがいます。その人は3年以上、週2回ペースで通い続けています。
発散、というと少し浅い言い方になるかもしれない。もっと正確に言うと、「本来の自分に戻れる時間」という感覚に近い。グローブをはめている間だけは、役職も責任も立場も関係なく、ただ自分の体と向き合える。
それが週に一度あるだけで、人生の密度が変わる気がする、と言う人もいます。
体が変わると、生き方が変わる
続けていると、体が変わります。体が変わると、不思議なことが起きます。
姿勢がよくなる。階段を上がっても息が切れなくなる。久しぶりに会った友人に「なんか変わった?」と言われる。鏡を見る頻度が増える——いい意味で。
体の変化は、そのまま自己肯定感の変化につながります。「自分はやればできる」という感覚が、ジムの外の場面でも顔を出すようになる。プレゼンで緊張しなくなった、交渉でひるまなくなった、という声を実際に聞きます。
キックボクシングで鍛えているのは、筋肉だけじゃない。自分への信頼を、少しずつ積み上げているんだと思います。
「仲間がいるから」という、シンプルな理由
正直に言うと、これが一番大きいかもしれない。
「行きたくない日でも、あの人が来てるかなと思ったら来てしまう」。そう話してくれた会員さんがいます。
ジムに来ると、顔なじみがいる。「今日調子どうですか」「先週の練習、あのコンビネーションやりましたか」——そういう何気ない会話が積み重なって、居場所になっていく。
ジムの仲間というのは、不思議な関係です。プライベートをそこまで深く知っているわけじゃないのに、一緒に汗をかいているというだけで、妙な連帯感がある。お互いの上達を素直に喜べる。弱いところを見せても、バカにされない。
そういう場所が、大人になってから見つかることって、そう多くないと思います。
「やめ時がわからなくなった」
長く通っている会員さんに「いつやめようと思いますか?」と聞くと、みんな少し考えてから言います。
「……やめ時がわからないんですよね」
やめる理由が見つからない。体を動かす習慣が、もう生活の一部になってしまっている。これをやめたら何かが欠けそうで、踏み切れない。
それって、最高の状態だと思います。
「しなければいけない」から「したい」に変わった時、それはもう義務じゃなくて、生き方の一部になったということ。
やめられないのは、まだ途中だから
キックボクシングには、「完成」がありません。
どれだけうまくなっても、上には上がいる。どれだけ練習しても、まだ知らない技術がある。体が変わり続ける限り、課題も変わり続ける。
だから続けている人たちは、みんな「まだ途中」だと感じています。途中だから、やめられない。終わっていないから、次の練習に来る。
僕も同じです。2冠を獲っても、指導者になっても、まだ途中だと思っています。
その「まだ途中」という感覚を、一緒に持ち続けられる人が、TURN UPにはたくさんいます。
やめられない理由は、きっとそれだと思います。