高槻という街は、ラーメンが強い。
市内に約160軒のラーメン店が存在するというから、これはもう「激戦区」という言葉では足りない。戦国時代だ。高槻ラーメン戦国時代。毎月のように新店がオープンし、腕の立つ店だけが生き残る。
僕はその戦場を、練習後の腹を抱えて25年以上歩き続けてきた。
選手時代も、引退後も、指導者になってからも——高槻でラーメンを食い続けてきた男として、今日は本気で語る。
会長が選ぶ、高槻ラーメン20選。
順番は優劣じゃない。全部旨い。全部通った。それだけは保証する。
【名店・聖地クラス】まずここを押さえろ
1. 彩色ラーメン きんせい 高槻本店
高槻のラーメンを語るなら、ここから始めなければ失礼にあたる。
2001年創業。ミシュランガイドにも掲載されたことのある、関西ラーメン界のレジェンドだ。鶏と魚介を絶妙にブレンドした透明感ある清湯スープ。淡麗系なのに旨味が深い。「なぜこんなに旨いのに、こんなに透き通っているのか」と毎回思う。
初めて高槻でラーメンを食うなら、迷わずここへ。
2. 塩ラーメン あす流
鶏白湯の名手。濃厚なのに雑味がない。クリーミーなスープに鶏の旨味が凝縮されていて、一口飲むと「ああ、練習してよかった」と思える。
常に行列が出来ているが、回転は早い。並ぶ価値は確実にある。全国区のファンが高槻まで来るのも納得の一杯だ。
3. 中村商店 高槻本店
きんせいグループの看板店。「金の塩ラーメン」は、塩というシンプルな看板に全力を込めた一杯だ。鶏清湯と魚介出汁の組み合わせが繊細で、飲み干すたびに「もう一口」が来る。
混ぜそばも旨い。気分によって選べるのが嬉しい。
4. らぁ麺屋 はりねずみ
食べログラーメン百名店OASAKAに選ばれた実力店。2017年創業で比較的新しいが、繊細な出汁使いはベテランの域だ。
「らぁ麺(塩・醤油)」のどちらを頼んでも外れがない。こういう店が高槻にあるということを、高槻市民として誇りに思う。
【個性派・専門店クラス】ジャンルで選ぶならここ
5. 麺厨房 華燕
担々麺に出会ってから、実質担々麺専門店になってしまった店。辛旨な肉みそ、ナッツの香り、ミョウガと大葉のアクセント——これは麺料理というより、完成された「作品」だ。
汁なし担々麺をよく混ぜてから一口目を食べる瞬間が、好きだ。
6. 麺屋 八海山
魚介豚骨の重量級ファイター。豚骨を長時間炊き出して魚介の旨味を重ねた、奥深いスープ。「濃厚派に圧倒的支持」という評判は本物だ。
こってりが好きな人間は必ず一度来い、と言いたい。
7. 焼きあご中華そば 荒波
2024年12月オープンの新鋭。焼きあご(飛魚)を主体にした清湯スープは、旨味の密度が高くて澄んでいる。ラーメンに「品がある」という感想を持ったのは久しぶりだ。
高槻駅前という立地も嬉しい。これから伸びる店だと思っている。
8. ラファ二郎
2025年2月オープンの二郎系。「ニンニクアブラマシ」と言えたら合格、という世界の店だ。
正直に言う。僕は普段こういうド迫力系はあまり食わない。でも試合後の解放感の中で食べる二郎系は別格だ。減量明けにここへ来たら、幸せで泣きそうになる。そういう店がある街は、いい街だ。
9. 人類みな麺類(THE麺 the醤油 高槻店)
大阪の有名ブランドが高槻に来た。シンプルな中華そばの完成度で全国にファンを持つあの店だ。「シンプルこそ最強」という格闘技の基本と同じ哲学を、ラーメンで体現している。
10. 鶏炭焼らーめん専門店 田村家 高槻川添店
炭火で焼いた鶏を使うという、アイデアと技術が両立している店。香ばしさがスープに溶け込んでいて、飲むたびに「ああ、これだ」という瞬間がある。2024年オープンの新店ながら、すでに安定の旨さだ。
【地元の実力店クラス】高槻市民が通い続ける店
11. らーめん鱗(うろこ) 高槻店
阪急高槻市駅から徒歩3分。チェーン展開しているが、スープの完成度が高く地元客から根強い支持を得ている。「チェーンだから」と舐めてかかると驚く。ちゃんと旨い。
12. ラーメンはにわ家
2024年11月オープンのきんせいグループ最新店。グループの名前を冠する以上、クオリティは保証されている。まだ開いて日が浅いが、すでに地元で話題になっている。今後が楽しみな一軒だ。
13. 麺屋きん次郎 高槻店
きんせいグループの中では濃厚系担当。あっさり派のきんせいに対して、こちらはパンチのある豚骨醤油ラーメンで若い世代から支持を集めている。同じグループでも方向性が違う面白さがある。
【博多豚骨・定番チェーン】外さない一杯を求めるなら
14. 博多一幸舎 高槻店
博多発、クリーミーな豚骨スープの本格派チェーン。「クリーミーさ」の表現においては、これ以上のものを関西で探すのは難しい。替え玉必須。
15. ラー麺 ずんどう屋 高槻赤大路店
2024年11月オープン。関西で人気の豚骨ラーメンチェーンだ。スープの深さと麺のバランスが良く、ついつい替え玉してしまう。深夜まで営業しているのも格闘技帰りの身には助かる。
【関西の雄・定番】高槻にもある、あの名前
16. 天下一品 高槻店
説明不要。「こってり」のドロドロスープは日本のラーメン史上でも唯一無二の存在感だ。京都発祥という事実が、関西人としての親しみを一段増してくれる。
ガッツリ食いたい夜は、ここに来る。「こってり+餃子」の組み合わせは、格闘技で言えばジャブからのストレート——鉄板コンビだ。
17. 来来亭 高槻店
滋賀発祥の背脂醤油ラーメン。ネギの量をセルフで調整できるスタイルが好きだ。深夜も開いていて、練習後の遅い時間でも飛び込める。高槻で長くラーメンをやってきた店の一つで、「いつでもある安心感」がある。
【穴場・地元密着型】知る人ぞ知る、地元の宝
18. 麺や 佐市
派手さはない。でも丁寧に取った出汁の旨味が光る和風醤油ラーメンで、地元客に長年愛されている穴場的な存在だ。ここを知っているかどうかが、「高槻のラーメン通かどうか」の分かれ目だと僕は思っている。
19. らーめん達磨(だるま)
昔ながらの中華系ラーメン店。家庭的な雰囲気と、濃い目の醤油スープと自家製チャーシューが評判だ。こういう店がいつまでも続いていてほしい、と思う。高槻の「原風景」みたいなラーメンがある。
20. 幸楽苑 高槻店
最後に、あえて幸楽苑を挙げる。全国チェーンだが、コストパフォーマンスの高さは本物だ。「今日は金も時間もないけど、ラーメンが食いたい」という日に、迷わず入れる店の存在価値は高い。格闘技で言えば、ジャブのような存在——地味でも、なければ困る。
最後に
高槻市の約160軒のラーメン店の中から、僕が足を運んだ20店を紹介した。
どの店も、それぞれの哲学を持っている。淡麗を極めようとしている店、濃厚を突き詰めている店、新しいジャンルに挑戦している店。みんな本気で、一杯と向き合っている。
それは格闘技と同じだ。
スタイルは違っても、本気で向き合っているものは美しい。そして高槻には、そういうラーメンが160軒ある。
僕はこれからも、練習後にこの街のラーメン屋を歩き続ける。
高槻よ、ありがとう。いつも腹を満たしてくれて。