「グローブって何を買えばいいですか?」——入会したての人から必ず聞かれる。当ジムでは体験レッスン中はグローブを貸し出しているが、会員になったら自分のグローブを持ってほしい。なぜなら、グローブは道具であり、相棒だからだ。
ただ、グローブを選ぶのは難しい。重さ・素材・用途・ブランドと変数が多い。今回は元プロ選手でもある僕が、本当に必要なことだけを絞って解説する。
まず知っておくべきこと——グローブのオンス(oz)とは
グローブの重さはオンス(oz)という単位で表される。1オンスは約28グラム。キックボクシングで使われるグローブは主に8oz〜16ozの範囲だ。
重いグローブ = クッションが多い = 相手への衝撃が小さく、スパーリング向き
軽いグローブ = 動きが速い = ミット打ち・サンドバッグ向き
オンスは「重さ」であると同時に「クッション量の指標」でもある。プロの試合では規定があり、NJKF(新日本キックボクシング連盟)などの主要団体では階級によって使用グローブが定められている。
用途別——何オンスを選べばいい?
| 用途 | 推奨オンス | 理由 |
|---|---|---|
| ミット打ち・サンドバッグ(初心者) | 10〜12oz | 操作しやすく疲れにくい。手首保護も十分 |
| スパーリング(軽め) | 14〜16oz | クッションが厚く相手・自分の怪我リスクを低減 |
| 競技・試合 | 8〜10oz(階級規定による) | 規定に従う。日常練習では使わない |
| 女性・体重50kg未満の方 | 8〜10oz | 手の小さい方は軽めが扱いやすい |
初心者の方には10oz〜12ozのグローブ1本で始めることをおすすめしている。スパーリングは最初から無理にやらなくていい。ミット打ちとサンドバッグをしっかりやっていれば、それだけで十分な練習になる。
素材の違い——本革・合皮・その他
本革(レザー)グローブ
耐久性が高く、使い込むほど手に馴染む。価格は15,000円〜50,000円以上と幅広い。RIVAL、WINNING、FARINAなどの高級ブランドが有名。長期間使いたい人、試合に出る予定がある人向け。
参考:プロ御用達のグローブブランドとして、タイを拠点とするYOKKAO(ヨッカオ)やFAIRTEX(フェアテックス)は世界的に評価が高い。
合成皮革(PUレザー)グローブ
価格が3,000円〜10,000円程度と手頃。初心者や「まず試してみたい」方に向いている。耐久性は本革より劣るが、2〜3年は十分使える。
布製・ビニール製
最安値帯だが、クッション性・耐久性ともに低い。本格的な練習には不向きなため、あまりおすすめしない。
初心者が失敗しない5つのチェックポイント
- 手のひら・甲のサイズ感——グローブをはめたとき、指がグローブの先端まで届き、かつ余裕が1〜2cm程度あること。きつすぎると血行が悪くなる
- 手首の固定感——マジックテープで締めたとき、手首がしっかりホールドされること。手首が動くグローブは打ち方が崩れ、怪我の原因になる
- クッションの均一さ——手の甲・親指根元・小指側、どこも均等にクッションがあること。偏りがあると拳の形で打てない
- 匂い・素材の質感——安価すぎるグローブは化学的な臭いが強く、汗をかくと蒸れやすい。試着できるなら手に取って確認する
- ジムやコーチに相談する——これが最も確実。TURN UPでは入会後、どのグローブを買えばいいかアドバイスしている
インナーグローブ(バンデージ)も忘れずに
グローブの下に巻くインナーグローブ・バンデージは必需品だ。拳の骨・関節を保護し、グローブ内の衛生を保つ役割がある。手首のサポートにもなる。
- 伸縮性バンデージ(メキシカンスタイル):長さ約3〜4mのガーゼ状。プロ・上級者向き。巻き方に慣れが必要
- インナーグローブ(マジックテープ式):着脱が簡単。初心者に特におすすめ
バンデージなしでグローブをはめる人をたまに見かけるが、拳・手首の怪我リスクが大幅に上がる。必ずセットで用意してほしい。
おすすめのブランドと予算感
3,000〜8,000円台。Amazonや楽天でも入手しやすい。合皮製だが作りはしっかりしており、初めての一本として申し分ない。
10,000〜25,000円台。タイブランドの定番。本革製でムエタイ・キックボクシング専用設計。TURN UPでも愛用者多数。
30,000〜60,000円以上。日本のWINNINGは世界的に評価が高い職人仕上げ。衝撃吸収に優れ、スパーリング向き。
まとめ——最初の一本をどう選ぶか
迷ったら10〜12oz・合皮製・5,000〜8,000円台のものを選べば間違いない。まずは継続することが大事で、道具はあとからこだわっていけばいい。
グローブを買ったら、ぜひTURN UPに持ってきてほしい。ちゃんとした打ち方を覚えれば、グローブも道具として活きてくる。体験レッスンからでも歓迎だ。